2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21570113
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
河田 康志 Tottori University, 工学研究科, 教授 (40177697)
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Keywords | 蛋白質 / 生体分子 / アミロイド線維 / 細胞毒性 / シャペロニン |
Research Abstract |
蛋白質が本来有する柔軟性が果たす役割について研究を行い,以下のような成果を得た。 1: シャペロニンのフレキシブルC末端領域とヒンジ部位の役割解明 GroELのC末端領域に存在している天然変性領域中にあるKNDAAD配列をタンデムに2回,3回,4回と繰り返して導入し,その機能に与える影響を調べたところ,かえって機能低下が起こることが分かった。また,アピカルドメインとインターメディエートドメインをつなぐヒンジ2部位のGly残基をTrp残基に変化させると,ATP非存在下でもGroESと結合し,安定な複合体を形成することが判明し,GroELの機能発現機構の理解を深めた。さらに,古細菌の一種であるThermoplasma acidophilum由来のシャペロニンの単量体蛋白質が,マンガンやコバルト金属イオン存在下で,様々なヌクレオチド加水分解活性を有していることを発見した。特に,AMP加水分解活性は初めての例である。 2: 天然変性蛋白質αシヌクレインのアミロイド線維形成 天然変性蛋白質の代表的なαシヌクレインのアミロイド線維形成反応でできるβ構造の各部位をペプチドレベルで明らかにした。このペプチドを利用して詳細なアミロイド線維形成を調べたところ,94番目のPhe残基がアミロイド線維の核形成に重要であることが判明した。全長のαシヌクレイン蛋白質でもこの結果が確かめられ,柔軟性に富む蛋白質の本質的な性質とアミロイド線維形成機構についての新たな示唆が示された。
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Research Products
(5 results)