2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヘパロサン糖鎖生合成酵素複合体における連続した糖転移反応効率化メカニズムの解明
Project/Area Number |
21570115
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
角田 佳充 Kyushu University, 農学研究院, 准教授 (00314360)
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Keywords | ヘパロサン / X線結晶構造解析 / 糖鎖生合成 |
Research Abstract |
グリコサミノグリカンは、2種類の糖が交互に結合した高分子量糖鎖であり、正確に交互に糖転移反応が行われることで生合成される。ある種の細菌の細胞表面には、ヒトの持つグリコサミノグリカンと同じ構造を持った糖鎖が存在し、それらを合成する酵素の存在が報告されている。大腸菌K5株は、その様な細菌の一つで、ヘパロサン糖鎖をその細胞表面に持っており、それを合成するのは、KifA、KfiB、KfiCという3つの蛋白質の複合体であると報告されている。本研究は、この3つの蛋白質成分が複合体を形成することで、2つの異なる糖転移反応を高速かつ正確に交互に行うと報告されているヘパロサン糖鎖合成酵素複合体(KfiA-KfiB-KfiC複合体)の詳細な反応メカニズムを、立体構造解析を含めて明らかにすることである。この研究を通じて、細胞内で広く見られる連続的に起きる糖転移反応の蛋白質複合体形成による効率化メカニズムを解明することを目指している。 21年度は、KfiAおよびKfiCについて、大腸菌を用いたリコンビナント蛋白質の発現、精製に成功し、これら二つの酵素を使って試験管内において、ヘパロサン糖鎖を生合成することに成功した。さらに、KfiAとKfiCは複合体を形成して初めて糖鎖合成反応を進めることができる事実を明らかにした。また、変異体とトランケート体を使った実験により、KfiAとKfiCが相互作用する部位を限定することにも成功した。これらの結果は、複合体を形成することで、2つの異なる糖転移反応を高速かつ正確に交互に行う分子メカニズムの詳細を解明する上で、重要な知見が得られたと考えられる。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Glucuronyltransferase activity of KfiC from Escherichia coli strain K5 requires association of KfiA : KfiC and KfiA are essential enzymes for production of K5 polysaccharide, N-acetylheparosan2010
Author(s)
Nobuo Sugiura, Yuichi Baba, Yoshirou Kawaguchi, Toru Iwatani, Kiyoshi Suzuki, Takahiro Kusakabel, Kiwamu Yamagishi, Koji Kimata, Yoshimitsu Kakuta, Hideto Watanabe
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Journal Title
The Journal of Biological Chemistry 285(3)
Pages: 1597-1606
Peer Reviewed