2011 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシソーム機能制御におけるAAAペルオキシンの役割
Project/Area Number |
21570116
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田村 茂彦 九州大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (90236753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 幸夫 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (70261237)
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Keywords | ペルオキシソーム / オルガネラ / AAAタンパク質 / ペルオキシン / ペルオキシソーム欠損症 / タンパク質相互作用 / 膜透過装置複合体 |
Research Abstract |
本課題研究は細胞内小器官ペルオキシソームをモデルオルガネラとして、その形成と代謝の制御システムを分子レベルで明らかにすることを目的としている。この目的を達成するために、ペルオキシソーム形成を担う因子(ペルオキシン)の中でも、AAAファミリータンパク質であるPex1pおよびPex6p(AAAペルオキシン)、そしてこれらAAAペルオキシンを膜上にリクルートするPex26p、さらにはAAAペルオキシンの作用ターゲットと考えているPex14p-Pex5p複合体に研究の焦点を合わせ、それらの構造生物学的な解析とタンパク質間相互作用の制御能に着目したペルオキシソーム形成システム解明という切り口から研究を遂行した。 平成23年度では、AAAペルオキシンがATP依存的な構造変化を伴いながらダイナミックに細胞内局在を変化させていることを明らかにした(Traffic (2011) 12, 774-788)。また、AAAペルオキシンはPex26pを介してPex14pと相互作用することを見いだし、AAAペルオキシンが作用する標的分子はPex14pを含む膜透過装置複合体であることを示唆する結果を得た。さらに、Pex14pを主な構成因子とするペルオキシソーム膜透過装置複合体には、complexI、II、IIIと名付けた分子量の異なる3種類の複合体が存在することをBlue Native-PAGE解析から見いだした。それぞれの複合体を分離・精製することにより構成タンパク質およびその複合体構成を明らかにし、リポソーム膜上で再構成させることでPex5pをリボソーム内腔に輸送させることに成功した。この再構成実験系の構築により、これまでその実体が不明であったペルオキシソーム膜透過装置の構造および機能解明に向けて、重要な知見、実験基盤を得ることができた。
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Research Products
(7 results)