2009 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー発症に関わる細胞外マトリックス蛋白質の活性化機構の解明
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21570123
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
玉田 太郎 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (50391248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 基泰 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究職 (60293958)
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Keywords | アレルギー・ぜんそく / 蛋白質 / 放射線、X線、粒子線 |
Research Abstract |
Periostinは細胞外マトリックス蛋白質の一つであり、Tenascin-C, Fibronectin, Collagen-V等の他の細胞外マトリックス蛋白質と結合することにより、種々のアレルギー疾患の病態の特徴である線維化等の組織的変化が生じる。Periostinはアレルギー疾患の中でも特にアトピー性皮膚炎発症に直接的に関係していることが最近明らかになっており、若年層のアトピー性皮膚炎の有病率が10数%にのぼり大きな社会問題となっている今日、Periostinは創薬の標的として注目を集めている。本申請研究はPeriostinの活性化機構を、その結合蛋白質といかなる量論的複合体を形成するかを明らかにし、さらにその立体構造決定を通じて理解することを目的としている。 平成21年度前半は、ヒトPeriostinの全長体を昆虫細胞を用いて発現・調製した。調製した試料はゲル濾過クロマトグラフィーにより二量体状態であることが確認され、この試料を用いて結晶化条件の検索を実施した。平成21年度後半は、ヒトPeriostinの機能領域(FAS1領域)について、コンストラクトを計5種作製し、大腸菌発現系による大量発現に成功した。ただし、いずれも不溶性画分(変性状態)として取得されたので、巻き戻し条件を検討し活性状態のヒトPeriostinの取得を試みた。その結果、可溶性の試料を取得することができたので、この試料を用いて結晶化条件の検索を実施した。
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