2011 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー発症に関わる細胞外マトリックス蛋白質の活性化機構の解明
Project/Area Number |
21570123
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
玉田 太郎 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (50391248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 基泰 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (60293958)
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Keywords | アレルギー・ぜんそく / 蛋白質 / 放射線、X線、粒子線 |
Research Abstract |
Periostinは細胞外マトリックズ蛋白質の一つであり、Tenascin-C,Fibronectin,Collagen-V等の他の細胞外マトリックス蛋白質と結合することにより、種々のアレルギー疾患の病態の特徴である線維化等の組織的変化が生じる。Periostinはアレルギー疾患の中でも特にアトピー性皮膚炎発症に直接的に関係していることが最近明らかになっており、若年層のアトピー性皮膚炎の有病率が10数%にのぼり大きな社会問題となっている今日、Periostinは創薬の標的として注目を集めている。本申請研究はPeriostinの活性化機構を、その結合蛋白質といかなる量論的複合体を形成するかを明らかにし、さらにその立体構造決定を通じて理解することを目的としている。 平成23年度前半は、前年度に取得したヒトPeriostinの機能領域(FAS1ドメインが4つ(R1,R2,R3,R4)繰り返された領域)の可溶性試料(R1-R4)と、連携研究者が取得している5種の抗Periostin抗体との結合確認実験を実施した。これらの抗体は単にR1-R4その結果、R3に結合する2種の抗体がお互いに阻害せずR3の領域に結合することを確認できた。よって、この2種の抗体を外部発注(物品費として使用)により大量生産した。平成23年度後半はイオン交換クロマトグラフィーによりR1-R4の純度を向上させることに成功し、引き続き前半に取得した抗体との複合体試料を用いた結晶化実験を実施した。R1-R4と抗体(Fab領域)の1:1複合体(2種)および1:2複:合体・(抗体2種を1分子ずつ結合)をゲルろ過により調製し、計1500条件の結晶化条件スクリーニングを実施したが、本研究期間内にX線回折データ収集可能な結晶を取得するには至らなかった。
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