2009 Fiscal Year Annual Research Report
Glut4トランスロケーションに関する新規必須因子BIG2の機能解析
Project/Area Number |
21570142
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
内山 圭司 The University of Tokushima, 疾患酵素学研究センター, 准教授 (60294039)
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Keywords | Glut4 / BIG2 / インスリン / Glut4トランスロケーション |
Research Abstract |
インスリン刺激によるGlut4トランスロケーション機構の解明を目指し、本研究ではGlut4トランスロケーションに対する新規必須因子BIG2の機能を明らかとすることを目的とした。 まず、Glut4トランスロケーションがインスリンに対して非応答性である3Y1細胞と応答性である3T3-L1脂肪細胞においてGlut4の細胞内局在を比較した。その結果、3T3-L1脂肪細胞では主にトランスゴルジネットワーク(TGN)以降のコンパートメントに局在しているのに対して、3Y1細胞ではゴルジ体・TGNにその大部分が局在していることが明らかとなった。この違いがインスリン反応性の違いを引き起こしており、3Y1細胞におけるBIG2ノックダウンは、Glut4局在変化を引き起こしTGN以降に局在するGlut4が増加することにより3Y1細胞はインスリン反応性を獲得したのではないかと考えた。そこで、BIG2ノックダウン3Y1細胞のGlut4局在を確認したところ、やはりゴルジ体領域以外の細胞質側のコンパートメントにGlut4が増加しており、その多くは初期エンドソームに局在していた。さらに、BIG2の阻害剤として知られているBrefeldin Aにより細胞を処理した場合も同様の結果が得られ、3Y1細胞がインスリン反応性を示すためには、まず、Glut4がゴルジ体領域から初期エンドソームへ移行することが必要であと考えられた。また、3T3-L1脂肪細胞においてBIG2をノックダウンすると、Glut4は初期エンドソームとリサイクリングエンドソームを含む画分に蓄積しておりGlut4小胞の形成が抑制されていることが細胞分画により明らかとなった。これらの結果は、Glut4の細胞内局在がインスリン応答性に重要であることを示すものであり今後の研究の進展において非常に重要な知見が得られた。
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Research Products
(2 results)