2009 Fiscal Year Annual Research Report
機能プロテオミクスを用いたカルモデュリン標的分子の網羅的同定と情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
21570143
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
徳光 浩 Kagawa University, 医学部, 准教授 (20237077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 良二 香川大学, 医学部, 教授 (00020917)
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Keywords | Wolframin / WFS1 / Calmodulin / 機能プロテオミクス / LC-MS / MS / カルシウム情報伝達 / Wolframin症候群 / 変異体 |
Research Abstract |
生体内において細胞内カルシウムの細胞内情報伝達因子としての重要性は疑う余地はなく、中枢神経系においても神経伝達物質の放出さらには、遺伝子発現調節にいたる様々な独立した細胞内反応機構を介して、統合的に高次機能を制御していると考えられる。このカルシウムシグナル伝達機構の中でも、カルモデュリン(CaM)を介した経路は中心的な役割を果たしている。本研究においては、質量分析法を用いた機能プロテオミクスによりCa^<2+>/CaM複合体の結合標的分子の網羅的同定をラット脳より行った。その結果、既知の36種類のCaM-結合タンパク質とWolframinを新規のCaM-結合タンパク質として同定した。 Wolframinは若年性糖尿病や進行性両側生視神経萎縮を主徴とする常染色体劣性遺伝病であるWolfram症候群の原因遣伝子(WFS1)の遺伝子産物である。本研究よりWolframinが試験管内、培養細胞においてもCa^<2+>/CaM複合体と相互作用する事が明らかになった。また相互作用する分子内の領域は細胞質内に存在すると考えられる。さらにはWolfram症候群に関連した遺伝子変異のうち、3つの異なる変異はWolframinのCaM-結合を完全に消失させる事から、Wolframinの正常な機能にはCa^<2+>/CaM複合体との相互作用が必要である事が推定された。
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Research Products
(7 results)