2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経発生とアポトーシスに関わる脳特異的ムチン型糖鎖合成酵素の機能解析
Project/Area Number |
21570148
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
黒坂 光 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (90186536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺地 徹 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (90202192)
瀬尾 美鈴 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (60211223)
中村 直介 京都産業大学, 工学部, 講師 (30424964)
中山 喜明 京都産業大学, 総合生命科学部, 助教 (40512455)
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Keywords | 神経科学 / 糖転移酵素 / アポトーシス / RNAi / ゼブラフィッシュ / マクロピノサイトーシス / 神経発生 |
Research Abstract |
本研究では,神経発生に関わる糖転移酵素,およびムチン型糖鎖の働きを解明することを目的としている.そのために脳特異的なアイソザイムであるWBSCR17およびムチン型糖鎖の機能を,神経細胞への分化能を持ったマウス胚性癌細胞P19,およびヒト胎児腎細胞HEK293Tを用いて調べた.さらにWBSCR17のゼブラフィッシュの神経分化における役割を調べた. 1.培養細胞について (1)WBSCR17,およびムチン型糖鎖伸長阻害剤(benzyl-αGalNAc,BG)のP19細胞の分化に与える影響の解析 P19細胞にWBSCR17を強制発現させたところ,グリア細胞に比して,神経細胞に分化する細胞が多くなった.また,BGで細胞を処理してもグリア/神経細胞への分化効率に変化が見られないことから,短いムチン型糖鎖が神経細胞への分化に関わることが示唆された. (2)WBSCR17のHEK293T細胞機能に与える影響の解析 HEK293T細胞におけるWBSCR17の発現をRNAiで抑制することで以下の知見を得た.(i)細胞内栄養状態の指標であるGlcNAcの濃度依存的にWBSCR17の発現量が増加する.(ii)WBSCR17が液相エンドサイトーシスの一種であるマクロピノサイトーシス経路を負に制御する.(iii)その調節メカニズムの破綻は膜タンパク質の輸送異常によるリソソーム病様の症状を引き起こす. 2.ゼブラフィッシュにおけるWBSCR17の機能解析 WBSCR17発現抑制胚とrfringe発現抑制胚との関係を調べた.どちらの抑制胚も後脳発生に異常が見られた.コンパートメント形成は正常に進行しているものの,その後の神経細胞の分化に異常があることがわかった.また,脳室の中にアポトーシスを起こした細胞に由来すると思われる凝集塊が見いだされた.
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Research Products
(11 results)