2010 Fiscal Year Annual Research Report
脂質メディエーターによる脂肪細胞分化制御の分子基盤
Project/Area Number |
21570151
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
藤森 功 大阪薬科大学, 薬学部, 講師 (70425453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有竹 浩介 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子行動生物学部門, 研究員 (70390804)
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Keywords | 脂肪細胞 / 脂質メディエーター / プロスタグランジン / 肥満 |
Research Abstract |
脂肪細胞において、PGF_<2α>はFP受容体に結合したのち、PGF_<2α>添加10分後にMEK/ERK経路が活性化されることが分かり、さらに、COX-2遺伝子の発現を上昇させることが分かった。PGF_<2α>により活性化されるCOX-2遺伝子の発現調節機構御解明するために、COX-2遺伝子のプロモーター領域をクローニングし、順次、プロモーター領域を欠失させてルシフェラーゼレポーター遺伝子に連結した。それぞれのレポーターコンストラクトをマウス3T3-L1細胞に導入し、PGF_<2α>の安定アナログであるFluprostenolにより活性化されるCOX-2プロモーターの領域を探索した。その結果、-50~-110の領域にFluprostenolによって活性化されるシス配列が存在することが分かった。さらに、詳細に解析した結果、-59に存在するCRE (cychc AMP-responsive element)であることが判明した。このCRE配列を介して、FluprostenolによりCOX-2遺伝子の発現は活性化され、FP受容体アンタゴニストによりその活性化が抑制されることが分かった。さらに、このシス配列にCREBが結合し、その結合レベルは、Fluprostenolに依存していることがクロマチン免疫沈降法により示された。これにより、PGF_<2α>による脂肪細胞分化初期のポジティブフィードバックによる、脂肪細胞の分化を抑制するPGF_<2α>およびPGE_2の産生を増強し、強力に脂肪細胞の分化初期の進展抑制のための分子機構が解明された。 また、次年度に動物における解析を行うために、遺伝子改変動物作製用のベクターの構築を行い、脂肪細胞特異的にAKR1B3を発現させるための、aP2(Fabp4)プロモーターの下流にAKR1B3を連結したコンストラクトを作製し、遺伝子改変動物の作製に着手した。
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