2010 Fiscal Year Annual Research Report
100%近いduty-ratioをもつクラスVIIIミオシンの機能解析
Project/Area Number |
21570159
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 光二 千葉大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50302526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩城 光宏 大阪大学, 大学院・医学研究科, 助教 (30432503)
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Keywords | ミオシン / モータータンパク質 / 1分子アッセイ / キネティクス / アクチン |
Research Abstract |
ATMはアクトミオシンとADP結合が2つの状態あり、その2つは平衡状態でる。すなわち、速い速度定数のものと遅い速度定数のものがあり、速い速度定数は29/sに対して、遅い速度定数は1.9/sとまったく違う値だった。そして,この2つの状態は遊離マグネシウムイオン濃度によって決まることがわかた。つまり,遊離マグネシウムイオン濃度が高いときはADP解離速度が遅いものの割合が増え、アクチン滑り運動速度も低くなることがわかった。これらの結果から、ATMの植物細胞内での役割として、2つのことが考えられる。1つ目は、外部からの物理的な力によって張力を発生することである。アクトミオシンADP状態はライゴール(硬直)状態とも呼ばれ、アクチンとミオシンが固く結合し、張力の発生に適した形である。このことから、外部から力がかかった時にミオシンが構造変化を起こし、マグネシウムが解離しにくくなることでライゴール状態を維持し、張力の発生と低い運動速度を実現させていると考えられる。これはクラスVIIIミオシンが持つ原形質連絡の維持・開閉という役割と合致する。2つ目はマグネシウムイオンの流入によって2つの状態が変化することで以下のように原形質連絡を制御する役割である。隣接する細胞の死に伴い細胞内の構造が崩壊することで、原形質連絡に流入するMgイオン濃度が局所的に増大した場合、張力を特に強く発生させて原形質連絡を閉じ、連鎖的な死から細胞を守ることができると考えられる。
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