2011 Fiscal Year Annual Research Report
100%近いduty-ratioをもつクラスVIIIミオシンの機能解析
Project/Area Number |
21570159
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 光二 千葉大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50302526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩城 光宏 大阪大学, 大学院・医学研究科, 助教 (30432503)
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Keywords | ミオシン / モータータンパク質 / 1分子アッセイ / キネティクス / アクチン / 植物 |
Research Abstract |
真核生物に存在し,化学エネルギーを力学エネルギーに変換する代表的なモーター蛋白質であるミオシンは現在24のスーパーファミリーを構成している。このうち植物にはクラス8とクラス11が存在するがクラス8にはその酵素活性はまったくわかっていなかった。本研究ではクラス8ミオシンのATM,ATM2,VIIIA,VIIIBの機能を定常状態のATP分解活性およびストップドフローを用いた速度論的解析による酵素機能解析,in vitro運動アッセイおよび1分子による運動機能解析をおこなった。ATMの運動活性,ATP分解活性は遊離Mgイオンによって制御されることがわかった。また,その制御の機構は遊離マグネシウムイオン濃度が高いときはADP解離速度が遅いものの割合が増え,逆に低いときはADP解離速度が速いものの割合が増えるというMgによるADP解離を制御する機構であることがわかった。制御をうける遊離Mgイオン濃度の幅は生理的イオン濃度に近く,隣接する細胞の死に伴い細胞内の構造が崩壊することで、原形質連絡に流入するMgイオン濃度が局所的に増大した場合、張力を特に強く発生させて原形質連絡を閉じ、連鎖的な死から細胞を守ることができると考えられる。また,ATMの他にATM2,VIIIA,VIIIBについても定常状態のATP分解活性およびストップドフローを用いた速度論的解析による酵素機能解析,in vitro運動アッセイをおこなった。この結果,ATM2は遊離Mgイオン濃度に制御を受けず,負荷によって制御を受けることがわかった。
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