2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21570161
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
川原 茂敬 University of Toyama, 大学院・理工学研究部(工学), 教授 (10204752)
|
Keywords | 瞬目反射条件付け / 学習 / 記憶 / 小脳 / 海馬 / NMDA受容体 |
Research Abstract |
1.小脳依存的学習メカニズムを担う小脳内部位の同定 小脳依存的に瞬目反射学習を行うDBA/2マウスを用いて、学習に重要な役割を果たす領域を検討した。DBA/2マウスにおいて条件付けられる目と同側の小脳半球のsimplex lobeを電極により通電破壊し、2週間の回復期間をおいた後に、音とまぶたへの電気刺激を用いて遅延課題による条件付けを行った。その結果、破壊手術を行わなかった対照群と比較して、同側小脳のsimplex lobeが破壊された群は有意に学習が障害されていた。この結果は、海馬を含む上位中枢に機能異常を持つDBA/2マウスにおいては、同側小脳のsimplex lobeに大きく依存して学習することが明らかとなった。 2.新規学習メカニズムに関与するシナプス可塑性の探索 小脳外領域に依存する新規学習メカニズムを検討するために、同側小脳破壊とシナプス可塑性に影響を与える薬物投与を組み合わせて実験を行った。あらかじめ、C57BL/6マウスの同側小脳半球を吸引破壊して、2週間回復させた。その後、NMDA受容体の阻害薬であるMK-801を腹腔内投与してから条件付けたところ、学習が顕著に障害されていた。この結果は、野性型のC57BL/6マウスにおいては、同側小脳の機能が障害。されている場合、NMDA受容体に強く依存するメカニズムを用いて記憶を獲得することを示唆している。このことは、我々がこれまで小脳機能に異常を持つミュータントマウスを用いて報告してきた結果と一致している。 3.新規学習メカニズムにおける内側前頭前野の役割の検討 小脳以外に学習に関与する領域として、内側前頭前野をまず検討した。あらかじめC57BL/6マウスの同側小脳の深部核と両側の内側前頭前野を電気破壊した。2週間の回復期間後に遅延課題による条件付けを行った。現在のところ、小脳単独破壊群との間に有意な差は認められていない。
|
Research Products
(6 results)