2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21570161
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
川原 茂敬 富山大学, 大学院・理工学研究部(工学), 教授 (10204752)
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Keywords | 瞬目反射条件付け / 学習 / 記憶 / 小脳 / 海馬 / NMDA受容体 |
Research Abstract |
1.小脳依存的学習メカニズムを担う小脳内部位の同定 前年度に引き続き、小脳依存的に瞬目反射学習を行うDBA/2マウスを用いて、学習に重要な役割を果たす領域を、局所破壊実験により検討した。前年と同様に、DBA/2マウスにおいて条件付けられる目と同側の小脳半球のsimplex lobeを含めて、それ以外の部位も検討したが、局所的な皮質破壊よって大きく学習障害を示す小脳皮質領域は、まだ、見つかっていない。 2.学習中の小脳深部核の神経活動の解析 マウスの頭部を固定し、回転カゴの中で自由走行させながら、瞬目反射条件付けを行うことにより、学習中の小脳からの神経活動を記録解析した。その結果、同側小脳の深部核より、学習に関連した神経活動を記録することに成功、した。今後、この測定システムを用いて、とらに解析を進める予定である。 3.新規学習メカニズムにおけるNMDA受容体関与の検討 小脳外領域に依存する新規学習メカニズムの詳細を検討するために、同側小脳の深部核を局所的に電気破壊したC57BL/6マウスに対して、NMDA受容体のアンタゴニストであるMK-801の腹腔内投与の効果を調べた。前年度に行った小脳半球の吸引破壊の場合と同様に、同側小脳深部核を局所破壊したマウスにおいてMDA受容体阻害により、記憶獲得が大きく障害されることがわかった。さらに、獲得記憶の表出に対ずる効果を調べたところ、生理食塩水を投与して学習させたマウスにおいては、MK-801はその獲得記憶の表出を阻害しないが、MK-801存在下で条件付けたマウスにおいてはある程度潜在的な学習が行われ、その記憶の表出はNMDA受容体依存的であることがわかった。
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Research Products
(3 results)