2009 Fiscal Year Annual Research Report
1分子追跡用新規蛍光ナノ粒子の開発と、クラスリン被覆ピットのシグナル機構の解明
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21570167
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 敬宏 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 特定拠点講師 (80423060)
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Keywords | 1分子追跡 / 蛍光プローブ / 細胞膜 / クラスリン被覆ピット / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「新規蛍光性シリコンナノ粒子を、我々の1分子観察技術と組み合わせ、生細胞の1蛍光分子イメジング技術に劇的な改善をもたらす」こと、それにより、「細胞膜上のクラスリン被覆ピットと呼ばれるナノドメインの形成機構とシグナル伝達プラットフォームとしての作動機構を解明する」ことである。 平成21度は、 1.親水性表面処理と生体分子への結合方法を開発する。 2.プローブの特性解析をおこなう。 3.細胞膜上の受容体を特異的に標識し、長時間の1蛍光分子追跡をおこなう。 ことを目標とし、以下の成果を得た。 1に関しては、 1-(1).化学エッチングの条件と、シリコンウエハーからのナノ粒子の回収方法を工夫し、直径1.9nmの青色ナノ粒子の収量を大幅に改善した。 1-(2).ナノ粒子表面上の水素原子をアリルアミンで置換することにより、親水性表面処理をすると同時にアミノ基を導入できるようになった。 1-(3).より広く使用できる生体分子の標識方法として、HaloTag融合タンパク質にナノ粒子を結合させる方法を検討した。 2に関しては、ナノ粒子表面のアミノ基にHaloTagリガンドを共有結合させ、HPLCで精製できる条件を得て、HaloTag融合タンパク質を発現した細胞だけに、ナノ粒子-HaloTagリガンドが結合することを確認した。 3に関しては、長時間観察に加えて、受容体とシグナル分子の短時間(1-100ミリ秒)の結合を検出するための高速観察も重要であることがわかってきた。そのために必要な、高感度・高速カメラを開発し、細胞膜上の受容体分子、脂質分子の1分子運動を、0.1ミリ秒の時間分解能(毎秒10,000コマ)で追跡することに成功した。
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[Journal Article]2009
Author(s)
高橋陽一郎(楠見明弘、藤原敬宏)
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Journal Title
「ランダムな運動に法則を見出す」math stories変化をとらえる(東京図書)
Pages: 238-247
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