2010 Fiscal Year Annual Research Report
鉄貯蔵タンパク質フェリチンの集合体形成と細胞内輸送の制御機構
Project/Area Number |
21570175
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
中川 裕之 福岡大学, 理学部, 准教授 (80274562)
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Keywords | ferritin / transport / iron |
Research Abstract |
鉄はほぼ全ての生物種の生存に必須な微量金属であるが、遊離の鉄イオンはフリーラジカルの生産源ともなり、細胞の機能に障害を引き起こす。細胞質の鉄はフェリチンに貯蔵されることから、鉄の細胞内動態とフェリチンの細胞内分布には密接な関係が予想される。そこで、フェリチンの細胞内分布制御機構を明らかにするために、平成22年度はフェリチン結合タンパク質の探索を行った。 フェリチンが細胞内で輸送されることが報告されているHepG2細胞をコンフルエントに培養し、低イオン強度溶液中でビーズ破砕機を用いて物理的に破砕した。その破砕液から高速遠心とフィルター濾過で大きな細胞断片や核を除き、細胞質画分とした。細胞質画分を分子量数百万Daの高分子が分画可能な樹脂をもちいて、サイズ排除クロマトグラフィーを行った。細胞質のフェリチンは、精製ウマフェリチン単量体よりも大きな分子量画分に溶出した。この画分に含まれる微小管モーター分子の探索をおこなったところ、抗キネシン抗体が反応したが、抗ダイニン抗体の反応は検出できなかった。これらの結果は、細胞内の微小管に依存したフェリチンの輸送には、微小管モーター分子の中でキネシンが関わっている可能性を示唆している。
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Research Products
(2 results)