2009 Fiscal Year Annual Research Report
induced folding機構の獲得を抗体の親和性成熟に学ぶ
Project/Area Number |
21570176
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
古川 功治 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 年齢軸生命工学研究センター, 研究チーム長 (00297631)
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Keywords | 蛋白質 / 抗体 / フォールディング |
Research Abstract |
C57BL/6マウスのハプテン、NP、に対する免疫応答で起こる抗体の親和性成熟を我々は精査してきた。最近我々はこの抗体の親和性成熟の過程でinduced folding機構を新たに獲得する成熟経路を見出した。この経路では抗原結合に伴うinduced foldingにより得られた構造安定化エネルギーを抗原結合に活かし、高親和性を獲得していると考えられた。本研究では生体内で行われたこのような親和性成熟について経路に沿って分子基盤を精査していく。具体的には出発点のクローンから最終点のクローンへ到達するまでに導入された10個の変異導入のすべての組み合わせ(1024通り)の変異体を作製しファージディスプレイによりスクリーニングすることで、induced foldingのデザインを変異導入の順番を含めて議論できると考えた。21年度は変異体の作製を行った。H鎖の変異6個とL鎖の変異4個、それぞれすべての組み合わせ(それぞれ64通りと16通り)について変異体作製が完了した。次年度以降これらを組み合わせることで1024通りすべての変異体を作製し、スクリーニングおよび必要なクローンについては熱力学測定を行うこととする。なお、21年度に作製した変異体の中で興味深いものについては既に滴定型熱量測定計を用いで杭原抗体反応を解析した。H鎖との界面に位置するL鎖上の変異導入が、親和性上昇をもたらすH鎖の変異を活かすために必須であることが示唆された。今後induced foldingとの関連にも興味が持たれる。
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