2010 Fiscal Year Annual Research Report
induced folding機構の獲得を抗体の親和性成熟に学ぶ
Project/Area Number |
21570176
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
古川 功治 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (00297631)
|
Keywords | 蛋白質 / 抗体 / フォールディング |
Research Abstract |
C57BL/6マウスのハプテン、NP、に対する免疫応答で起こる抗体の親和性成熟を我々は精査してきた。最近我々はこの抗体の親和性成熟の過程でinduced folding機構を新たに獲得する成熟経路を見出した.この経路では抗原結合に伴うinduced foldingにより得られた構造安定化エネルギーを抗原結合に活かし、高親和性を獲得していると考えられた。 本研究では生体内で行われたこのような親和性成熟について経路に沿って分子基盤を精査していく。具体的には出発点のクローンから最終点のクローンへ到達するまでに導入された10個の変異導入のすべての組み合わせ(1024通り)の変異体を作製しファージデイスプレイによりスクリーニングすることでinduced foldingのデザインを変異導入の順番を含めて議論でさると考えた。22年度は引き続き変異体の作製を行った。前年度に完成したH鎖とL鎖の変異体の組み合はわせることで1024通りすべての変異体を作製すべく発現ベクターの構築を行った.またここで得られた発現系の応用利用、抗原抗体反応の評価技術を用いた共同研究も行い。論文作成に至った。なお、平成23年3月に起こった震災により、本プロジェクトで用いる標準モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを失った。23年度にはこれらの再取得も行わなければならない。
|