2011 Fiscal Year Annual Research Report
DNA複製に共役したクロマチン形成機構と組換え-修復機構の関連
Project/Area Number |
21570183
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
高見 恭成 宮崎大学, 医学部, 准教授 (80236356)
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Keywords | クロマチン / ヒストン |
Research Abstract |
新規に合成されたヒストンは幾つかのヒストンシャペロンを介して核内に移行しクロマチンに取り込まれる。クロマチン形成不全がもたらすDNA複製、修復、組換え反応に及ぼす影響をDT40細胞を用いて検討した DNA複製にカップルしたヒストンシャペロンであるCAF-1を欠損させるとDNA合成の低下、新生鎖上のヌクレオソーム形成不全(遅延)、S期の遅延、分裂異常を伴い死滅する。本因子のDNA複製機溝への関与をDNA fiber assayで検討したところ、CAF-1欠損によりDNA鎖の伸長速度の低下が認められたがそれほど顕著ではなく、これだけでDNA合成低下を説明できないため、origin firingの頻度低下の可能性を考え、現在詳細に検討中である。また、CAF-1欠損により特異的に変化するヒストンアセチル化部位を2カ所明らかにした。これらのアセチル化ヒストンは核内で共局在してfociを形成した後、広がる。このことはCAF-1を介したヌクレオソーム形成に強く依存した特異的なゲノム領域が存在すること、複製に共役した正確なヌクレオソーム形成がエピジェネティク修飾の維持に極めて重要であることを示している。 他のヒストンH3/H4のシャペロンであるASF1に関してはDNA損傷応答機構との関連を検討した。ASF-1は生存に必須であるため、内在性ASF1遺伝子の両アレルに種々の点変異をノックインで導入することでASF1機能低下変異株の作成を試みた。ヒストン結合能の低下したある種の点変異株はDNA合成能の低下、S期の遅延が起こり生育速度は低下するが、生存可能であった。本変異株を用いてDNA損傷応答、組み換え能等を検討したところ、X線によるG2,S期チェックポイント活性化や相同組換え能への影響はほとんど認められないものの、ある種のDNA損傷剤(エトポシド)に対する感受性は顕著に増加した。現在この原因について検討している。
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Research Products
(3 results)