2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21570184
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
平井 秀一 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (80228759)
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Keywords | 細胞内輸送 / JNK / JIP / キネシン / 微小管 / 神経軸索 |
Research Abstract |
細胞の増殖、分化や細胞が持つ独特の機能の発現は遺伝子発現制御の他に、合成したタンパク質(或いは脂質、糖、核酸)を適所に配置するための細胞内輸送制御に大きく依存しており、細胞内輸送の異常は様々な疾患の原因となる。我々はDLK-JNKシグナル系を切り口に、モータータンパク質或は細胞骨格を介した細胞内輸送制御の分子機構解明に向けた研究を進めている。モータータンパク質を介した制御に関しては、DLK-JNKシグナル系の足場として同定されたJIP1によるキネシンモーターの活性制御に焦点を当てた研究を展開している。22年度中に行ったJIP1とキネシンとの結合即ちキネシンの活性化を制御する分子機構についての解析の結果、JIP3のJIP1特定領域への結合がJIP1とキネシンとの結合を著しく高めることを見出すと伴に、JIP3とJIP1の結合を制御する分子の存在を示唆する結果を得た。一方細胞骨格を介した制御に関しては、DLK-JNKシグナル系がキネシン、ダイニンといったモーター分子の足場となる微小管の安定性の制御に関わり、このことが大脳皮質投射ニューロン分化の過程における軸索形成を支える重要な要素となっていることをH21年度中に見出している。H22年度には大脳皮質投射ニューロンの初代培養細胞を用いることにより、いくつかの段階を経て進行する軸索形成の各段階においてDLK-JNK経路の活性及び微小管の安定性が持つ意味が異なることを見出した。さらに、微小管制御タンパク質の中でJNKの基質となる3種類に関するRNAi実験の結果を解析することにより、軸索形成の段階特異的な微小管安定制御の分子機構について検討した。
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Research Products
(6 results)