2011 Fiscal Year Annual Research Report
転写制御におけるクロマチンダイナミズムを規定するシス及びトランス因子の機能解析
Project/Area Number |
21570185
|
Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
清水 光弘 明星大学, 理工学部, 教授 (80231364)
|
Keywords | クロマチン / ヌクレオソーム / 転写制御 / DNA構造 / ヒストン / 出芽酵母 |
Research Abstract |
本研究は、出芽酵母ゲノムおよびミニ染色体において、転写制御におけるヌクレオソームの配置を規定するシス因子(DNA構造因子)とトランス因子(クロマチン関連因子、ヒストンバリアント)を解析することによって、クロマチン構造変化のダイナミズムを規定するメカニズムを解明することを目的とする。 これまでに、遺伝的神経筋疾患に関与するCTGやATTCTリピートがヌクレオソームの形成を促進することを見いだした。これらの配列が出芽酵母ゲノムにおけるヌクレオソーム形成と転写制御に及ぼす影響を調べた。CTGまたはATTCTリピートを朋05遺伝子座プロモーター領域に挿入すると、転写活性化条件においても、PH05の発現は著しく抑制された。ゲノムのクロマチン構造を調べた結果、ATTCTリピートはプロモーター領域にヌクレオソームをポジショニングして転写を抑制すると結論づけられた。これらのリピートに加えて、出芽酵母ミニ染色体におけるヒトテロメアTTAGGGリピートのヌクレオソーム形成を調べたところ、テロメアリピートはヌクレオソームを不安定化することがわかった。in vivoで解析したさまざまなリピート配列についてin vitroでヌクレオソームを再構成し、それらの特徴を生化学的に解析した。さらに、X線結晶構造解析により、(CTG)15・(CAG)_15を含むヌクレオソームの構造を3.5Aで決定した。 一方、in vivoでヌクレオソームポジショニングを規定するトランス因子の解析を進めた。Rpd3ヒストン脱アセチル化酵素複合体による減数分裂初期遺伝子群の転写抑制の分子機構において、Ume6の転写抑制ドメインを決定した。また、出芽酵母ヒストンH3遺伝子座のヒトヒストンH3バリアント遺伝子による置換は、出芽酵母染色体の異数性の頻度を高める傾向を見いだし、その分子機構について解析を進めている。
|
Research Products
(10 results)