2011 Fiscal Year Annual Research Report
大規模スクリーニングによるオートファジーと小胞体ファジーの総合的理解
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21570197
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野田 健司 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (00290908)
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Keywords | オートファジー / ゲノムワイドスクリーン / 酵母 |
Research Abstract |
本研究は、細胞内大規模分解系であるオートファジーに対する新たなスクリーニング系を構築し、それをゲノムワイドに適用することで、その制御機構の全貌を明らかにすることを目的とした。オートファジーは栄養飢餓などによって誘導されるが、それは様々なレベルで正や負に制御されていることが予想される。これまで、オートファジーに欠損のある変異株は単離されているが、しかし、オートファジーの活性が、減少した、あるいは増加したなどの点に注目したスクリーニングは前例がない。減少や増加を検出するためには、オートファジーの活性を定量的に評価するモニター系が必要であり、そのため、私が以前開発したALP法を大規模に適用する系を開発した。これは、オートファジーの活性を酵素活性に転換することでその定量的な測定が簡便に可能となる実験系である。酵母非必須遺伝子破壊株ライブラリーおよび酵母必須遺伝子発現低下株ライブラリーのゲノムに、ALP法に用いるPho8D60遺伝子を導入した。また96穴のマイクロタイタープレートで、ALPアッセイをハイスループットに行う手法を開発した。スクリーニングの結果、既知のオートファジー欠損をしめすAtg遺伝子ほぼすべてが、低いオートファジー活性の上位にランクされたことから、この系が機能していることが示された。その上位にランクされた遺伝子、および、高いオートファジー活性をしめす遺伝子に注目し解析を進めた。その結果、TRAPPIIIと呼ばれる遺伝子群の新規の機能を明らかにし、それがオートファジーに関わる膜の移動をになっていることを明らかにした。さらに、栄養飢餓の応答に関わるTORC1の上位に位置する因子の性質も明らかにした。
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Research Products
(2 results)