2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21570201
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
真崎 雄一 熊本大学, 大学院・先導機構, 特任助教 (60311304)
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Keywords | 細胞運動 / ARF / 好中球 |
Research Abstract |
細胞運動は、発生過程や免疫応答などの正常な生命活動だけでなく、癌の浸潤・転移過程など様々な病気の場面でも観察され、その分子メカニズムを明らかにすることは、これらの現象を理解するうえで、極めて重要だと考えられる。外界から刺激があると、細胞は刺激の方向を認識し、前後の極性を形成し、移動を開始する。これまでに我々は、ARFが好中球の細胞運動に極めて重要な働きをすること、さらにARFの活性化因子であるGBF1が、細胞運動に深く関与すると共に、その際のARFの活性化にも関与していることを見出している。そこで本研究では、細胞が運動する際、GBF1が、どのように活性化されるのか、またGBF1によって活姓化されたARFが、どのように細胞運動に関わっているのかを明らかにすると共に、GBF1遺伝子欠損マウスを作製し、生体内においても、培養細胞と同様のメカニズムが使われているのかを検証し、細胞運動時に見られる極性形成のメカニズムの一端を明らかにすることで、細胞運動の分子メカニズムの解明を目指している。 本年度は、活性化されたARFが、どのように細胞運動に関わっているのかを明らかにするために、siRNAによってGBF1の発現を抑えたHL-60細胞において、ARF1や好中球の細胞運動に関わることが知られているPAK1、PIX、GIT2が、fMLPの刺激を受けた際、どのような細胞内局在を示すのか解析した。その結果、GBF1の発現を抑えると、fMLPの刺激を与えた際のARF1やARFのGAPであるGIT2の細胞前端部での局在は大きく減少するものの、PIK1、PIXの細胞前端部での局在は、わずかな減少に留まった。このようなことから、ARF1の細胞先端部での活性化は、GIT2の局在に影響を及ぼすことによって、細胞運動に関わっていると考えられる。
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