2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21570213
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学 |
Principal Investigator |
市村 徹 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学, 応用科学群, 教授 (50213012)
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Keywords | ユビキチン / リン酸化 / シグナル伝達 / メンブレントラフィック / 14-3-3タンパク質 / TRiM32 |
Research Abstract |
ユビキチン(Ub)がタンパク質分解に果たす役割は、生命科学のさまざまな領域で明らかにされている。我々はこれまでに、LCを極微流速化させることで、試料中に極微量しか含まれないタンパク質でも正確に同定することができるLC-MS/MSシステムを開発し、様々なタンパク質の同定並びに相互作用解析に適用してきた。本研究では、Ub分子内にアフィニティー精製用のタグ(Hisタグ)を挿入した改変Ub分子を作成し、上記LC-MSシステムと組み合わせることで、メンブレントラフィックと関連するタンパク質中のUb化修飾部位を簡便に決定できる方法論の開発を目的としている。PCR法を用いてHisタグをUbのC末端近傍の異なる部位に導入した様々な改変型Ub分子を作成し、免疫沈降法を用いて基質タンパク質への取り込みを検討した。その結果、72-73番目の位置にHis(6)タグを挿入した改変体が作製したすべての分子の中で最も効率的に取り込まれることが分かった。またその際のHis残基数は、2以下で最大の取り込みを示したが、3以上6までではその効率に大きな差は認められなかった。一方、Ub化ペプチドの回収システムとして、Co, Cu, Zn, Ni,などの金属イオンで置換したセラミックハイドロキシアパタイト(HAp)HPLCシステムを検討した。その結果、亜鉛(Zn)-HApシステムがHisタグペプチド(2-6残基)の回収に最適であることが分かった。またこのシステムはHisペプチド以外にも、分析したすべてのHisタグ融合タンパク質を、複雑な抽出液から単一ステップで高純度に精製できることが分かり、今後非常に有効な回収ツールになりえるものと判断した。
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Research Products
(4 results)