2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規モデル動物を用いた胚発生における細胞死の可視化と分子機構の解明
Project/Area Number |
21570223
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
酒巻 和弘 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (20271017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 直人 基礎生物学研究所, 形態形成研究部門, 教授 (40221105)
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Keywords | アポトーシス / 胚発生 / トランスジェニックカエル / カスパーゼ / モニター分子 / 可視化 |
Research Abstract |
細胞死は、発生の形態形成や器官形成過程において、或いは成体の恒常性維持のために必要不可欠な生命現象である。生体で起こる主な生理的細胞死は、アポトーシスであることが示唆されている。アポトーシスのシグナル伝達経路では、"カスパーゼ"と称する一群のプロテアーゼが実行因子として働き、これら分子の活性化により細胞が死に至る。本研究の目的は、胚発生過程でみられる細胞死へのカスパーゼの関与を特定し、その作用機序と役割を解明することである。本研究を通して、脊椎動物の発生過程で普遍的に見られる細胞死の生物学的意義を明確にし、さらに器官や臓器がどのように形成されるのか「生物の形づくり」を立体的に提示する。昨年度の研究によって、生きたままの状態で体内のカスパーゼの酵素活性をモニターできるトランスジェニック(Tg)-ゼノパスを樹立し、カスパーゼの活性化状態を時空間的に追跡することが可能になったことを報告した。本年度は、このTgカエルを使って、胚発生の過程において細胞死(アポトーシス)が認められる場所・時期に着目して、個体レベルでの解析を行った。その結果、変態期の尾の退行は、細胞死を伴うことが知られていたが、本研究によって尾の退行が起きている箇所において、カスパーゼ3の活性が高いことを検出することができた。またFADD分子は、アポトーシスのシグナルを下流のカスパーゼに伝達するアダプター分子である。FADDを過剰発現した胚はアポトーシスが過剰に誘導されるが、この胚にカスパーゼの阻害タンパク質であるP35を同時に発現させると、アポトーシスが抑制された。この細胞死抑制下において、胚の成長が異常となることを認め、FADDが細胞死誘導能以外の機能を有することを新たに見出した。
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Research Products
(1 results)