2010 Fiscal Year Annual Research Report
発生のロバストネス(頑強性)を支える細胞間相互作用の定量的解析
Project/Area Number |
21570226
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 卓 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90244102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 尚昭 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00332338)
柴田 達夫 理化学研究所, 発生再生科学総合研究センター, ユニットリーダー (10359888)
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Keywords | 発生・分化 / 遺伝子 / ゲノム / 発現制御 / ゆらぎ |
Research Abstract |
本年度は以下の通り研究を実施した。 1)2種類のレポーター蛍光遺伝子を用いたゆらぎ解析システムの確立と計測…ウニ胚Tb遺伝子の発現領域にGFP遺伝子あるいはRFP遺伝子を連結した構築を、補正用蛍光色素と共にウニ胚に導入し、発生過程を追って1細胞単位での蛍光を共焦点レーザー顕微鏡により観察した。複数の胚において、細胞レベルでの2種類の蛍光量は相関を示していた。しかしながら、細胞に導入された蛍光遺伝子のコピー数の影響が大きいと考えられ、今後導入コピー数をコントロールしていく技術の開発が必要であることが示された。 2)2種類のプロモーターを用いた揺らぎ解析システムの確立…ウニ胚の一次間充織細胞の遺伝子ネットワークの上流転写因子Tb遺伝子と下流構造遺伝子のSM50遺伝子のプロモーターにそれぞれ異なるレポーター遺伝子(CFPおよびYFP)を連結した構築を、ウニ胚に導入して2種類の蛍光量を測定した。平均15個の胚を受精後10時間から24時間にかけて細胞レベルで計測したところ、相関を示さない細胞が多数観察されることから、Tb遺伝子の発現量と一次間充織細胞の分化には明確な相関は見られないことがわかった。 3)細胞間相互作用が発現ゆらぎに与える影響の解析…幹細胞であるEC細胞にレチノイン酸応答レポーター蛍光構築を導入した細胞株を樹立し、細胞塊中の領域(細胞塊の周縁部と中心部)での細胞分化とレチノイン酸応答能との関係を調べた。その結果、レチノイン酸添加による蛍光量のばらつきは観察されず、本研究では発現ゆらぎを検出することができなかった。
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Research Products
(21 results)