2009 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエの減数分裂を制御する母性因子複合体の解析
Project/Area Number |
21570233
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
向 正則 Konan University, 理工学部, 講師 (90281592)
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Keywords | 発生・分化 / 発現制御 |
Research Abstract |
Mamoタンパク質による減数分裂制御機構を分子レベルで解析することが本研究の目的である。平成21年度はMamoの相互作用因子の候補として、BIP2/TAF155に注目し、in vivoで両者が結合するかどうかを、免疫沈降実験を中心に進めた。その結果、残念ながらMamoとBIP2/TAF155が複合体を形成することを示す有意な結果は得られなかった。このことからMamoが別の因子と共同して作用する可能性が示唆される。そこで、Mamoと複合体を形成する因子の探索を試みた。Mamo-FLAG強制発現胚のホモジネートに対して抗FLAG抗体により免疫沈降し、SDS-PAGEによりその成分を解析したところ、Mamo-FLAGを含まないコントロール胚中には検出されない、特異的なMamo-FLAG結合タンパク質が複数検出された。今後、これらの因子を同定することで、Mamo複合体の分子的実体が明らかにできる。またMamoタンパク質はC_2H_2型Znフィンガードメインをもつことから、DNAに結合して作用する可能性がある。Mamo-FLAGを唾液腺細胞中で強制発現し、Mamo-FLAGが多糸染色体に結合するか解析したところ、いくつかの特定の染色体領域に結合することが判明した。MamoがDNAに直接結合する性質をもつか調べるために、C_2H_2型Znフィンガードメインを用いてSELEX実験を行なったところ、特定の塩基配列をもつDNAとMamoのC_2H_2型Znフィンガードメインが結合する可能性が示された。今後、この配列情報をもとにMamoの直接標的遺伝子を探索することが可能になった。Mamoと共同して作用するタンパク質因子の同定、およびその機能解析、さらにMamoの標的遺伝子の同定、機能解析により、Mamoによる制御ネットワークの解明が可能になると考えられる。
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Research Products
(2 results)