2010 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエの減数分裂を制御する母性因子複合体の解析
Project/Area Number |
21570233
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
向 正則 甲南大学, 理工学部, 講師 (90281592)
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Keywords | 発生・分化 / 発現制御 |
Research Abstract |
Mamo相互作用因子の解析から、Mamoの作用機序を明らかにすることが本研究の目的である。平成22年度はMamoZnフィンガードメイン(MZD)に結合するDNA配列(研究1)、およびBTB/POZドメイン(MPD)に結合するタンパク質(研究2)について解析を進めた。 <研究1>Selex法により得られた配列にMZDが直接結合することをゲルシフトアッセイにより確認できた。さらにMZD結合配列をもとにもとにゲノム塩基配列の検索を行なったところ、いくつかの遺伝子(bru-3, RunxA, RunxB, Ets98B)の近傍にMamo結合サイトが発見された。これらの結合サイトとMZDが特異的に結合することをゲルシフトアッセイにより確認した。これらの遺伝子の中にMamoの標的遺伝子が含まれると予想している。先行実験からbru-3遺伝子の発現とMamoの関係が明らかになりつつある。bru-3遺伝子は野生型の神経細胞に強い発現が検出され、始原生殖細胞中ではbru-3の発現は検出されない。これに対して、Mamoを欠いた始原生殖細胞中でectopicなbru-3の発現が検出された。生殖細胞中でbru-3の発現がMamoにより抑制されている可能性が示唆される。今後、他の遺伝子についても調べ、Mamoによる発現制御の解析を進める。 <研究2>大腸菌でリコンビナントMPDドメインを作出する発現系を確立した。MPDアフィニティカラムを作成し、野生型の胚抽出物からBTB/POZドメインに結合するタンパク質の同定を試みた。その結果、ピルビン酸キナーゼ、チューブリン、EF1A1がこのドメインに結合するタンパク質として同定された。これらのタンパク質は生殖細胞の形成分化に必要なVasaタンパク質と結合することが知られている。このため、BTB/POZドメインを介してMamoがVasaタンパク質と間接的に複合体を形成する可能性がある。今後、MPDとVasaタンパク質の相互作用も視野にいれ、相互作用因子の解析を進める。
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