2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21570244
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高井 正成 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (90252535)
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Keywords | ニホンザル / 進化 / 化石 / 更新世 / 第四紀 / 日本列島 |
Research Abstract |
日本列島各地の第四紀以降の堆積物から見つかっているニホンザルの化石を整理し直している。今年度は主として第四紀以降のニホンザルの地理的変異と年代的変化を、近隣諸国・地域から出土しているマカクザル化石標本と比較しながら解析を行なった。 (1) ニホンザルの歯牙化石の歯種同定を目指して、写真撮影で歯の咬合面の輪郭を抽出し、それを幾何学的形態解析法を用いて解析してみたところ、かなりの確率で歯種の区別ができることがわかった。この成果をまとめて国内の学術誌『霊長類研究』に発表した(伊藤ほか、2011)。 (2) 岩手県花巻市の風穴洞窟から見つかっていた後期更新世のニホンザル頭骨化石と、愛媛県大洲市敷水の採掘場から発見されていた後期更新世のニホンザル頭骨化石を外部形態(3次元デジタル計測器)と内部構造(X線CT機器)の両面から観察・計測した。 (3) 日本各地の後期更新世の地層から見つかっていたニホンザル化石の歯牙の計測をおこない、それぞれ現生種との比較を行って、ニホンザルの地理的変異と年代的変化について統計的な解析を行なっている。その結果を論文としてまとめて,現在国内の学術雑誌『哺乳類科学』に発表した(西岡ほか、印刷中)。 日本国内で見つかっているニホンザル化石を、近隣諸国・地域から見つかっている鮮新世~更新世のマカクザル化石を比較し、ニホンザルの起源と進化に関する古生物学的解析を行っている(Zhang et al., 2010)。
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