2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21570246
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
藤田 尚 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (40278007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 隆雄 国立長寿医療研究センター, 研究所, 所長 (30154545)
橋本 裕子 奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 客員研究員 (90416412)
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Keywords | 禮安里人骨 / 韓国 / 齲蝕 / 日本人の起源 / 弥生人 / 古墳人 |
Research Abstract |
本年度は、韓国釜山大学校博物館にある、禮安里人骨を主として調査した。研究代表者の藤田は歯科古病理学が専門であり、禮安里人骨群の、齲蝕、齲蝕の部位、齲歯率、抜歯その他の歯の古病理学から、禮安里人骨を再度検討した。分担者の橋本は、歯の従来の研究では取得されていなかった、歯の計測値、歯の形態を調査し、日本及び周辺の集団との比較研究を行った。同じく分担者の鈴木は、骨の古病理学を専攻しており、禮安里人骨の古病理学的所見を取得し、当時の日本との疾病構造の比較検討を行う予定であったが、本務先の用務で、今回の韓国調査には同行できなかった。また、鈴木の提唱している学説として、日本への結核の流入が、朝鮮半島からであり、結核に免疫を持たなかった当時の日本人は、大きなダメージを受けたとする。前回の科研費で行った、弥生時代相当の勒島人骨からは、結核の人骨が見つかっており、韓半島でも日本の弥生時代期に結核が存在したことが明らかとなった。今回の禮安里人骨は、日本の古墳時代に相当するので、少々時代は下るが、それでもなお、結核の人骨が存在するかどうかは、重要なポイントである。特にC-F症候群の人骨があるとの報告があるので、その検証を次年度行いたい。 現在、研究代表者、分担者によって、更には研究協力者に加えた庄田慎矢によって、韓国の出土古人骨の保管状況の情報が収集されており、その状況によっては、釜山近郊の博物館等の人骨の調査を行った。多数の人骨を出している遺跡は、釜山周辺には内容であるが、例え1個体でも、韓国の古人骨の出土状況を考えれば、詳細な検討が今後必要と思われた。外国での調査ゆえ、情報収集、また収蔵先からの調査許可取得などに、難しさはあるが、粘り強く調査を継続し、今後も韓国の古人骨の研究を継続する予定である。
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