2009 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病関連遺伝子が食習慣ならびに食後の生理的多型性に与える影響
Project/Area Number |
21570250
|
Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
岸田 邦博 University of Nagasaki, 看護栄養学部, 助教 (30412703)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綱分 憲明 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (10172040)
四童子 好廣 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (00111518)
|
Keywords | 遺伝子多型 / 食習慣 / メンタルヘルス |
Research Abstract |
脂肪酸結合タンパク2(FABP2)は小腸上皮細胞に発現し、長鎖脂肪酸の取り込みに重要な役割を果たしている。この遺伝子の多型(Ala54Thr)について、これまで生体内におけるインスリン抵抗性や脂肪酸のβ酸化亢進等の知見が報告されている。血糖や血中脂肪酸濃度は食欲に影響を与える重要な因子であることから、本多型と食習慣についての調査研究を実施した。食事調査には市販の食物摂取頻度調査(実寸法師)を使用し、遺伝子型は口腔粘膜より抽出したDNAをPCR-RFLP法で解析した。被験者である女子大学生64名をAlaホモ接合体とThrキャリアの2群に分け解析した結果、Thrキャリアが多くの栄養素(カロリー、糖質、脂質、タンパク質等)で摂取量が有意に高かった。食品群別で解析すると、ご飯類の摂取量のみ有意に高かった。これらの結果は、Thrキャリアが特定の食品または栄養素に嗜好性を示すというものではなく、食事の量の大小に起因するものと推測される。今後、さらに被験者を増やして再調査を実施するとともに、異なる性別、年代層においても同様の結果が認められるか、さらには別の食事調査方法(写真撮影法や質問紙法)においても同様であるか等、再現性および妥当性の確認を実施する。 また予備的知見であるが、ミトコンドリアDNAの遺伝子多型(10398G/A)において、被験者の性格との関連が認められた。10398Aタイプでは、男性が女性より不安気質が強いのに対し、10398Gタイプでは女性の方がその傾向が強く、逆の結果、すなわち遺伝子型と性別に交互作用が観察された。強迫傾向についてもよく似た結果が得られた。遺伝子多型が個人の気質も含め広い意味での食生活に与える影響について、さらなる検討を実施する。
|
Research Products
(3 results)