2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580003
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
笹沼 恒男 山形大学, 農学部, 准教授 (70347350)
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Keywords | ベニバナ / 遺伝学 / 育種学 / 遺伝資源 / 系統分化 / 進化 |
Research Abstract |
平成23年度は、ベニバナ属の系統関係に関して、キク科共通プライマーA39を用いた解析を行った。その結果、ベニバナ属は、栽培種を含むBゲノム二倍性種のグループと、それ以外のAゲノム二倍性種と倍数性種のグループの二グループに大別できた。この結果は、以前行った核遺伝子SACPD及び、葉緑体遺伝子間領域に基づく結果と一致しており、この系統関係が属全体の関係を反映していることが示唆された。また、六倍性種二種のゲノム構成に関しては、二種いずれともAXYの同じゲノム構成をもつ異質六倍体であることが示唆された。なお、A39は、ゲノムの数以上の種類の配列が各種から得られたことから、重複遺伝子であることが示唆されたが、種内の配列間の違いは小さく、種間の系統関係に大きな影響を及ぼすものではなかった。最上紅花の遺伝的特徴の解明に関しては、AFLP解析により、アジアのベニバナが東アジアとそれ以外の地域に大別され、最上紅花は、東アジアのグループ、特に、朝鮮半島由来のものに近いという結果が得られたことから、最上紅花の由来が朝鮮半島経由であることが強く示唆された。ISSR解析では、アジア全体のベニバナの系統関係については、AFLPと同様の結果を得たが、プライマー数が少なく、十分な多型が見られなかったため、地域ごとの系統関係については、AFLPの結果と異なる結果を示した。圃場での形質調査も行ったが、本年度は梅雨時期の集中豪雨の影響で、途中で枯死、あるいは生育不良となる個体が続出したため、十分な結果を得られなかった。しかし、全体としては、形態形質に地理的分化は見られない、開花日に関しては東アジアの系統が早い傾向が示唆された。また、花弁の重さ、花序の数、種子の千粒重は、生育条件の影響が大きく、遺伝率が低い、という結果が得られた。
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Research Products
(3 results)