2011 Fiscal Year Annual Research Report
オオムギ野生種におけるS遺伝子座領域のゲノム解析と認識決定因子の同定
Project/Area Number |
21580006
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
掛田 克行 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (50221867)
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Keywords | 自家不和合成 / イネ科 / S遺伝子 / ゲノム解析 |
Research Abstract |
オオムギ野生種(Hordeum bulbosum)は、独立二遺伝子座(SおよびZ)支配の自家不和合性を有している。本研究では、新たな花粉側S遺伝子候補を探索するため、雌ずい側S遺伝子の有力候補HPS10 (Hordeum Pisti1 S-specific 10)遺伝子周辺のゲノム領域の塩基配列解析を行った。ゲノム上でHPS10遺伝子に隣接し、生殖器官で発現しているDUF247遺伝子について、昨年度に引き続き、転写領域、発現特異性、塩基配列多型性の解析を行ったが、花粉側S遺伝子の有力候補となる証拠は得られなかった。さらに本年度は新たな花粉側S因子同定のためのアプローチとして、花粉タンパク質のプロテオーム解析を試みた。S_1およびS_3ハプロタイプの成熟花粉から抽出したタンパク質を、疎膜画分および細胞質画分に分画した後、ESI-MS/MS装置を用いて分析した。すでに決定したHPS10遺伝子周辺ゲノム領域の塩基配列をデータベースに用いてMASCOT検索を行った結果、当該ゲノム領域上にあるいくつかのペプチド配列が同定された。こからの配列の相同性検索を行ったところ、ゲノム塩基配列のみを用いて解析した際に予測された既知のORFとは異なる新規ORFが多数検出された。また、これらの翻訳タンパク質の中には、シグナル伝達や細胞間認識に関与し、自家不和合性の認識因子として機能する可能性のあるタンパク質が新たに見出された。これらの新たなORF情報は、今後、各Sはプロタイプの花粉で発現しているcDNAの解析から花粉側S遺伝子候補を絞り込むために有効であると考えられる。
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Research Products
(2 results)