2009 Fiscal Year Annual Research Report
オオムギにおけるβグルカン合成酵素遺伝子の単離と機能解析
Project/Area Number |
21580007
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
武田 真 Okayama University, 資源生物科学研究所, 教授 (40216891)
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Keywords | オオムギ / 遺伝子 / 突然変異 |
Research Abstract |
β-グルカンレス突然変異体OUM125のβグルカン欠失性(bgl, beta-glucanless)遺伝子を分子マーカーを用いてマッピングした。OUM125に皮麦品種ニシノホシ(Ni)を3回戻し交雑して育成した準同質遺伝子系統bgl-Ni(裸性)とニシノホシの交雑集団227個体を用いてマッピングを行ったところ、bglは7H染色体の動原体付近に位置することが明らかになった。この付近にはセルロース合成酵素様遺伝子の1種であるHvCs1F6遺伝子が位置することが報告されている(Burton らPlant Physiology 146 : 1821-1833, 2008)。そこで、OUM125、原品種赤神力およびニシノホシそれぞれからHvCs1F6のデータベース配列を元に設計した遺伝子特異的プライマーでPCR増幅を行い、塩基配列を決定した。その結果、OUM125の第3エキソン中に1塩基多型(G→A)が見つかり、これにより660番目のグリシンがアスパラギン酸に変化すると推定された。ニシノホシのこの部分の塩基配列は赤神力と同一であった。この一塩基多型部位は制限酵素BanIの認識部位に相当するので、これを元にOUM125およびbg1-Niとニシノホシ間の多型を検出するCAPSマーカーを開発しマッピングを行った。その結果、HvCs1F6の多型はβ-グルカンレスの表現型と共分離することが明らかになり、OUM125のβ-グルカン欠失性はHvCslF6の機能欠損突然変異による可能性が高いと考えられた。 さらに、別のマッピング集団OUMI25×BowmanのF2集団104個体を用い、半粒法により胚を含まない半粒でキットを用いβ-グルカン含量を定量し、胚を含む半粒を生育させてDNAを抽出しマーカー多型を調査した。その結果、bgl遺伝子は三倍体の胚乳細胞でドース効果を示すことが明らかになった。
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