2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580008
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
山岸 博 Kyoto Sangyo University, 工学部, 教授 (10210345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺地 徹 京都産業大学, 工学部, 教授 (90202192)
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Keywords | ダイコン / 雄性不稔 / 稔性回復遺伝子 / クローニング |
Research Abstract |
ダイコンのオグラ型細胞質雄性不稔に対しては、2003年に単離された稔性回復遺伝子(orf687)以外に、複数の稔性回復遺伝子(Rf遺伝子)が存在することが示されている。今年度は、このうちハマダイコンに広く分布する新規のRf遺伝子(Rft)について、その作用機構を明らかにするとともに、この遺伝子のDNAマーカーを開発した。ハマダイコンに見出された新規のRf遺伝子は、orf687とは異なり、雄性不稔の原因遺伝子であるミトコンドリアのorf138のプロセシングに関与していることが明らかになった。またこのRf遺伝子はorf687とは独立に作用する単一の遺伝子であるが、植物体の生育環境によって作用力に変動があることおよび不完全優性を示すことが明確になった。このRf遺伝子に関する分離集団を作成して、Rf遺伝子と遺伝的行動を共にするRAPDマーカーを検索した結果、2つのマーカーが得られ、そのいずれについてもSTSマーカー化に成功した。 その一方で、これらorf687、Rftのいずれとも異なるRf遺伝子が、ハマダイコンにさらに存在することが新しく発見された。またこの新規Rf遺伝子は、ダイコンのつぼみにおけるORF138タンパク質の蓄積を著しく減少させることも見出された。そこでこの新規Rf遺伝子に関する分離集団を作成して観察したところ、このRf遺伝子は完全優性の単一遺伝子であり、既存のorf687、Rftとは独立に作用することが明らかになった。さらに、この新規Rf遺伝子は、最近野生種や中国の栽培品種で存在が示されたRf遺伝子とも異なることが認められた。このように、本年度は新しく発見したRf遺伝子について、既知の遺伝子との関係、遺伝様式、作用メカニズム等について解析を進めた。
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