2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580009
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
高橋 良二 National Agricultural Research Organization, 作物研究所大豆生理研究チーム, 上席研究員 (90360445)
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Keywords | 大豆 / 裂皮 / QTL解析 / 種子品質 |
Research Abstract |
難裂皮性品種「エンレイ」と易裂皮性品種「ナスシロメ」とを交配して育成した組換え自殖系統(F_7世代、各24個体)を圃場で栽培し、個体ごとに開花日を調査した。開花始40日後に上位半数の莢を摘除し、裂皮の発生を促した。成熟期に種子の裂皮指数(裂皮無:0~甚:4)を1粒ごとに評価し、個体および系統の難裂皮性(平均裂皮指数)を算出した。1015個のSSRマーカーを使って両親の多型解析を行ったところ、190個のマーカーで多型が見いだされ、そのうち114個のマーカーが組換え自殖系統で明確な分離を示した。それらのマーカーの遺伝子型データを用いてMAPMAKER/EXP.ver.3.0で連鎖地図を作成したところ、24個の連鎖群が見いだされ、全長が1232cMであった。QTL Cartographer ver.2.0を用いて平均裂皮指数のQTL解析を行ったところ、2個のQTL(cr1とcr2)がD1b連鎖群とM連鎖群に見いだされた。それぞれLOD値は4.77と4.10、寄与率は23.5%と16.2%であった。F_6およびF_7世代で再現性が認められたのは、cr1のみであった。cr1とcr2は開花日、莢数等の収量関係のQTLとは異なる位置に見いだされ、収量形質とは関連がないと考えられた。一方、一部の系統に見られる網目状裂皮を持った在来種「うずらまめ」と裂皮の見られない「Clark-i」を交配して育成したF_2集団とF_3系統を供試して網目状裂皮のQTL解析を行ったところ、62cMの距離で連鎖した2個のQTLが摘莢裂皮とは異なる連鎖群(C1連鎖群)に見いだされた。以上の結果より、摘莢裂皮と網目状裂皮とは異なる遺伝要因に支配されることが明らかになった。
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