2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580016
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
東江 栄 Saga University, 農学部, 准教授 (50304879)
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Keywords | CAM / 概日リズム / 環境応答 / 光合成 / 生物時計 |
Research Abstract |
今年度は、CAMの概日リズム制御機構を明らかにすることを目的に、アイスプラントCAM型欠損突然変異体におけるCAM関連遺伝子の発現量の日変化を調べた。また、GAM遺伝子の転写開始点5'上流域を単離し、さらに、アイスプラント形質転換体を作出する基礎として外植体からの再分化法を検討した。 発現解析の結果、変異株では、CAMの炭酸固定酵素であるホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)、PEPCの活性を制御するPEPCキナーゼ(PEPCK)、リンゴ酸を脱炭酸するNADPリンゴ酸酵素(NADP-ME)、解糖系関連酵素ホスホグルコムターゼ及びホスホグルコイソメラーゼ等をコードする遺伝子の発現量が低下していることがわかった。 上記のCAM鍵酵素、すなわちPEPC、PEPCK、及びNADP-MEをコードする遺伝子Ppc1、Ppck、及びMod1の転写開始点5'上流約1400bp、2000bp及び1200bpのDNA断片をそれぞれ単離し塩基配列を決定した。相同性検索の結果、これらには、エチレン誘導性、光応答、アブシジン酸誘導関連転写因子の結合サイトが含まれていることがわかった。また、単離したDNA断片からデリーションクローンを作製し、プロトプラストに導入してレポーター遺伝子の一過的発現解析を行なったところ、Ppck転写開始点5'上流約1100~1600bpが発現制御に関わる領域であることがわかった。 アイスプラント外植体のカルス形成能は、葉を一部残した胚軸で最も高く、ついで胚軸で高かった。葉付胚軸を外植体に用い、1.0mg/I 2,4-Dと0.2mg/Iカイネチンを含むカルス誘導培地で4週間培養し、さらに5.0mg/I TDZを含むシュート誘導培地で培養することで、地上部再分化能を有した緑色細胞が形成された。緑色細胞を新しい培地で培養すると、地上部再分化個体が得られた。
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