2012 Fiscal Year Annual Research Report
水田における15年間連用施肥の残効消失過程に関する研究
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21580017
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
片野 学 東海大学, 農学部, 教授 (80125468)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 施肥残効 / 水稲 / 無施肥 / 収量 / 食味 / 有機農業 / 無農薬 |
Research Abstract |
阿蘇の原野を開墾し1980年度から慣行化学農法条件下で畑作物を栽培してきた圃場を,1992年度に水田に造成・転換した圃場(8a)内に,1993年度から,無農薬条件とし,施肥条件を変更した試験区を作り,水稲を同一施肥条件下で15年間単作してきた水田を対象とし,16年目を迎える2009年度から,9試験区すべてを無施肥で水稲を栽培した.供試品種はミネアサヒ,栽植距離30×15cm,ペーパーポット育苗第4葉抽出苗を1株3本植えで各年度5月20日前後に手植した.移植1週間後から生育調査,収穫期に収量および収量構成要素の調査を行いは,収量調査で得られた精玄米の食味成分である蛋白質含有量をケット食味成分分析計AN820で分析した. ①収量の推移:施肥最終年の2008年は収量に対する施肥効果が顕著に表れた年であったが,全区無施肥にした2009年以降2012年までの4か年には9区間収量には有意差は見い出されなかった.試験を開始した19年間で得られた9区の平均収量に対する変動係数は2008年度以降に着目すると,変動係数は20.3%,8.5%,15.5%,7.3%,5.4%となり,無施肥前半2か年に比べ後半の2か年では過去最低となり区間の収量はほぼ同様になっていた. ②精玄米の食味の推移:品質評価値を見ると,施肥最終年である2008年度には区間に有意差が見られたが,無施肥を開始した2009年度以降を見ると,年度によって顕著な有意差が見られたが,各年度ともに9区間の数値はほぼ同様になり,区間に有意差は認められなかった.食味分析を開始した2003年度以降の実測値と変動係数の推移を示したが,無施肥にすると区間の差はほとんどなくなっていることが分かった. 以上のように,収量ならびに精玄米の食味に着目すると,15年間の施肥残効は無施肥1年目で解消されていることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究には既往研究の蓄積が全くなく,どのような結果が得られるか予測できないため.
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Strategy for Future Research Activity |
有機質肥料および化学肥料の15年間連用施肥の蓄積と残効を評価する方法として,生育,収量,精玄米タンパク質含量,品質評価値に着目してきたが,計画案に従って,今後は,玄米中の同位体窒素分析と土壌分析結果の解析が必要である.
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Research Products
(1 results)