2009 Fiscal Year Annual Research Report
除草剤抵抗性変異を利用した水田雑草イヌホタルイの休眠・発芽調節機構の研究
Project/Area Number |
21580020
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
内野 彰 National Agricultural Research Organization, 中央農業総合研究センター・雑草バイオタイプ・総合防除研究チーム, 上席研究員 (20355316)
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Keywords | アセト乳酸合成酵素 / 種子休眠 / 除草剤抵抗性 / イヌホタルイ |
Research Abstract |
本年度は、1.発芽特性に及ぼすアセト乳酸合成酵素(ALS)遺伝子の変異型アレルの影響調査と2.種子休眠性に関与する転写因子Vp1/ABI3の遺伝子単離を行った。 1.同一親の後代で抵抗性型と感受性型が分離した集団の中から変異型アレルと野生型アレルをそれぞれホモで有する個体を、各親について10個体ずつ選択し、その自殖種子の発芽特性を休眠覚醒前(風乾室温保存種子)と休眠覚醒後(5℃湿潤土中3週間保存種子)で調査した。その結果、休眠覚醒処理によって発芽率の上昇が認められたものの、ALS1遺伝子のPro197部位におけるSer197への置換(ALS1:Pro197Ser)、ALS2:Trp574Leu、ALS1:Pro197Leuについては、発芽特性に対する影響が認められなかった。ALS2:Pro197Serの影響については現在試験中である。 2.Vp1/ABI3遺伝子の発現が予測される休眠種子からRNAの単離を試みたところ、通常の方法ではRNAがうまく単離できず、幾つかの方法を試した結果、フェノール含有量の多い試料に適した方法によって種子RNAが単離された。これをもとにcDNAを作成してdegenerate PCRを行ったところ、対照として使用したタイヌビエ休眠種子からは目的のVp1/ABI3遺伝子に相当するDNA断片を増幅することができたが、イヌホタルイ種子からは増幅できなかった。今後、degenerate primerの再設計およびRNA単離法の効率化を検討して、遺伝子の単離を継続して試みる。
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