2009 Fiscal Year Annual Research Report
都市域生態系での剪定枝の活用による緑地を中心とした物質循環系の創出に関する研究
Project/Area Number |
21580024
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 輝昌 Chiba University, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (20291297)
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Keywords | 緑地管理 / 物質循環 / リサイクル / 剪定枝 / 土壌改良 / 堆肥 / 都市緑地 / 都市域生態系 |
Research Abstract |
2009年度には、主に以下の2つの課題に取り組んだ。 (1)剪定枝の堆肥化にともなう形態の変化 剪定枝を堆肥に加工する際の堆肥化の判定基準の曖昧さが問題視され、簡易かつ確実な判定基準の確立が求められている。ここでは、従来の化学分析に依らない判定法について検討する一環として、堆肥化に伴う剪定枝の形態変化を調査した。東京都町田市の堆肥製造施設「剪定枝資源化センター」において、剪定枝を粉砕したチップ材が堆肥になる過程での形態の変化を電子顕微鏡で観察した。その結果、堆肥化の進行に伴って剪定枝チップ材の表面に(a)微細な凹凸が生じること、(b)凹凸が大きくなること、の2点が明らかになった。これらは堆肥化に伴って剪定枝チップ材の表面積が大きくなることを示しており、これまでに明らかにされてきた堆肥化に伴う化学的な性質の変化とも合致する傾向である。また、堆肥化の現場で多用されている「手触り」による感覚に基づく堆肥化判定とも関連があると考えられた。 (2)剪定しチップ材による耕作地土壌の改良効果 剪定枝を都市緑地内で活用することで物質循環系を形成することが理想的であるが、特に街路樹から発生する剪定枝は街路樹下の土壌に還元することが困難なため、都市近郊の農地で活用することも検討されるべきである。茨城県行方市の耕作地で剪定枝由来の堆肥を施用し、土壌の諸性質の変化を調査した。その結果、土壌中の微細な孔隙が増加し、保水力が高まった。また、土壌の保肥力が増加した。これらの改良効果は、施用前の土壌の有機物含有量が少ないほど高かった。
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Research Products
(1 results)