2011 Fiscal Year Annual Research Report
都市域生態系での剪定枝の活用による緑地を中心とした物質循環系の創出に関する研究
Project/Area Number |
21580024
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 輝昌 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (20291297)
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Keywords | 都市域 / 物質循環系 / 剪定枝 / 植栽基盤 / 土壌改良 / 法面緑化 / リサイクル / 生態系再生 |
Research Abstract |
公園・街路樹等の管理で発生する植物廃材を原料とした堆肥を生産している東京都町田市の施設において、利用者へヒアリングによるアンケート調査を行った。この堆肥は剪定枝のみを原料としているため、養分含有量が少ない。このため、利用者は他の資材と混合させて使用していた。家畜糞や油かすを混入して、土壌改良材として使用する事例が多かった。そのほかに、果樹園のマルチング材、家畜舎の敷物、発酵熱をビニールハウスの熱源として使うなどの使用法もみられた。 木材を粉砕して法面緑化の緑化基盤材に用いたときの物質循環系の創出過程について調査を行った。施工1年目から6年目までの植栽基盤材の性質、基盤中の微生物活性、植物バイオマスや植物の養分含有量、基盤中のミミズ個体数の変化を調査した。その結果、施工直後に植栽基盤のC/N比が急激に進むこと、植物バイオマスと養分含有量は施工後の年数とともに増加し、施工後4年でほぼ一定となった。施工後少なくとも3ヶ月間の植物量が少ない時期に生態系外への養分流亡がおこっていたが、比較的早く物質循環系が形成される可能性がある。ミミズの個体数は、植栽基盤の性質や植物量との関係がみられず、生態系評価の指標とするには今後の調査や検討が必要である。 都市緑地や里山での繁殖が問題となっている竹の活用法として、粉砕・膨軟化処理して(竹材)法面緑化の緑化基盤材に混入する方法が考案されている。この方法の有効性や、適正な施工方法について検討する一環として、通常のバーク堆肥主体の緑化基盤材に竹材を混入量が異なるように添加した緑化基盤材をつくり、模擬的な斜面上に施用して、性質の変化を調査した。その結果、竹材には養分の流亡や塩類集積といった植栽基盤の化学的な問題点を緩和する効果があることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)