2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580028
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岩本 嗣 Niigata University, 自然科学系, 准教授 (10333428)
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Keywords | フキ / 育種 / ソマクローナル変異選抜 / フェノール成分 / 栄養成分 |
Research Abstract |
独自の生態系が保持された原生林を有し、海抜0mから最高峰金北山の標高1172m付近まで、フキが自生する佐渡島の65地点(大佐渡山地を横断する石名和木林道、県道81号線、新潟大学農学部附属フィールド科学教育研究センター佐渡ステーション演習林、大佐渡山地を縦走する大佐渡スカイライン、金北山登山道、さらに佐渡島沿岸部と小佐渡丘陵の内陸部)から地下茎を採集し、新潟大学農学部附属フィールド科学教育研究センター新通ステーションの圃場に定植して栽培した。その結果、葉身の大きさや形、厚さ、硬さに差が認められ、その中から葉身が柔らかくてみずみずしい系統を見いだした。また、北海道足寄町から草丈約3mになる'螺湾ブキ'と大阪府泉南市から草丈1.5~1.8m程度に成長する'大阪農技育成1号(のびすぎでんねん)'を収集し、新潟大学農学部附属フィールド科学教育研究センター新通ステーションの圃場に定植して栽培した。さらに、佐渡島から採集したフキ、'螺湾ブキ'、ならびに'大阪農技育成1号'の花芽分化初期のふきのとうの中から、直径0.2~0.3mmの大きさの頭花組織を摘出して培養した。その結果、NAAとBAをそれぞれ、0.1mg/lと1.0mg/1添加したMS寒天培地で、頭花組織基部から茎葉の分化が認められた。葉身に含まれる成分を明らかにするため、予備的に4種類のフェノール成分(クロロゲン酸、フキノール酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4,5-トリカフェオイルキナ酸)と2種類のビタミン(β-カロテン、α-トコフェロール)の抽出とHPLC分析を行ったところ、6種類の成分全てで、定量可能な量の葉身への蓄積が認められ、系統により含量の差が生じていた。
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Research Products
(1 results)