2010 Fiscal Year Annual Research Report
三倍体スモモ品種‘貴陽'の配偶子形成と受精後の種子機能に関する研究
Project/Area Number |
21580030
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
高木 敏彦 静岡大学, 農学部, 教授 (40026612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 雅也 静岡大学, 農学部, 准教授 (10432197)
八幡 昌紀 静岡大学, 農学部, 助教 (60420353)
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Keywords | 倍数性 / 貴陽 / 三倍体 / 非還元配偶子 / 味なし果 / ニホンスモモ |
Research Abstract |
3倍体品種である'貴陽'の結実不良の原因を追及すべく、雌性配偶子形成過程の組織的観察を行ったところ、胚のう組織の発達は種子親である'太陽'と大きく変わらなかったが、受精後の胚珠成長では珠心が退化する割合が極めて高く、正常な胚発達が阻害されて落果に至ったと考えられる。次に、受精胚を未熟胚~成熟胚まで胚培養を行い得られた実生の倍数性を調査した結果、成熟胚では正倍数体±1が大半であったが、未熟胚になるほど異数性の高い異数体が多くを占めた。このことから、受精はするものの異数体はその後の胚発達に異常をきたすものと考えられた。 次に、これらの種子の異数性の違いが、低品質果実(特に糖組成・含量)の味なし果(仮称)の発生と関与するかどうかについて検討した。味なし果および正常果の種子発育には差がなく、それぞれの種子由来の実生の倍数性においても明らかな差異がなかった。ただ、果実の着色開始期より急激に正常果では糖の集積とくにスクロースの集積がみられたのに対し、味なし果では糖増加程度は緩慢であった。スクロースの増加に関連するスクロース合成酵素の活性変化を調査したところ、着色開始期よりその活性が急速に増加することが明らかになったが、味なし果と正常果の間で活性の相違があるかについては現在検討中である。
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Research Products
(3 results)