2010 Fiscal Year Annual Research Report
葉菜類のアンモニア耐性品種開発のためのアンモニア代謝鍵酵素の解明
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21580031
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
名田 和義 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (40293807)
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Keywords | アンモニア耐性 / サラダナ / コマツナ / グルタミン合成酵素 / グルタミン酸脱水素酵素 / アンモニア過剰ストレス |
Research Abstract |
本研究は,葉菜類のアンモニア(NH_4^+)過剰条件下におけるNH_4^+代謝機構を明らかにし,好硝酸(NO_3^-)性の葉菜類にNH_4^+耐性を付与するための基礎情報を得ることを目的としている.葉菜類にNH_4^+耐性を付与することで,葉菜類栽培におけるNH_4^+利用率が高まり,硝酸過剰施肥問題が解決されることが期待される.前年度までに,NH_4^+を含む培養液でサラダナとコマツナを栽培した場合,コマツナに比較してサラダナがNH_4^+ストレス条件下に比較的よく耐え,これは,NH_4^+の代謝能力,特に,グルタミン酸脱水素酵素(GDH)の働きによって葉内のNH_4^+濃度が高まらないためであることを明らかにした.本年度では,NH_4^+過剰条件下におけるGDHの役割をさらに明確にするために,グルタミン合成酵素(GS)阻害剤を両種のセル成型苗に散布し,葉内のNH_4^+代謝の変化について調査した.バスタ7500倍希釈において、サラダナよりもコマツナの障害が激しいことが認められ,これは葉のアンモニア濃度が,コマツナではバスタ処理後早い段階で高まるのに対して,サラダナでは一貫して低く維持されることが原因であった.また,サラダナ葉のアンモニア濃度が低い原因として,阻害されたGSの替わりにグルタミン酸脱水素酵素(GDH)が活性化し,アンモニア代謝が維持されたためであることが示唆された.このようにアンモニア過剰条件下では,GDHの役割が非常に重要であると考えられるため,今後はGDHがアンモニア耐性マーカーとなり得るかどうかについて検討する.
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Research Products
(5 results)