2009 Fiscal Year Annual Research Report
自然環境構造の顕在化をめざすランドスケープ計画・設計モデルの構築
Project/Area Number |
21580032
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
宮城 俊作 Nara Women's University, 生活環境学部, 教授 (60209872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠沢 健太 大阪芸術大学, 芸術学部, 准教授 (00278558)
長濱 伸貴 神戸芸術工科大学, デザイン学部, 准教授 (70461134)
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Keywords | 自然環境構造 / ランドスケープデザイン / 丘陵地 / ニュータウン / 沖積低地 / 都市河川 / 河川堤外地 / 江東デルタ |
Research Abstract |
初年度となる平成21年度は、対象となる地域における自然環境の基盤構造ありようを確認するために地形、水系、植生の図上復元を行ったうえで、開発による人為的な干渉がどのような改変をもたらしたかを把握し、そこから自然環境の構造を抽出した。具体的な対象として、丘陵地の大規模住宅開発地については千里ニュータウン(大阪府吹田市・豊中市)を、沖積低地については江東デルタ地帯(東京都墨田区・江東区)を、都市河川の流域と堤外地については石川河川公園(大阪府富田林市)を、それぞれ対象とした。 丘陵地のニュータウンでは、開発以前の地形図の分析を通じて、かつて丘陵に形成されていた地形-水系システムを確認し、併せてニュータウンの造成計画、排水計画、緑地整備計画など自然環境への人為的な干渉の内容や程度を図面、文献資料から把握した。 沖積低地では、古地図の分析を通じて、江戸から明治にかけて形成されていた低湿地帯の土地利用と水系システムを抽出し、併せて明治中期から昭和初期にかけての産業立地に伴う水路沿いの基盤整備の状況を地理情報と文献によって確認した。 都市河川では、河川堤外地における継続的な植生調査に基づいて、河川の水位変動と植生の変化の関係を明らかにし、人為的な維持管理作業との組み合わせによる動態的なデザインの基礎的条件を明らかにした。
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