2009 Fiscal Year Annual Research Report
高温,強日射下で誘導されるキクの黄斑症発生メカニズムの解明
Project/Area Number |
21580034
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
後藤 丹十郎 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (40195938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 和彦 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (90263623)
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Keywords | キク / 黄斑 / 活性酸素 / 強光 / 高温 / 気孔コンダクタンス |
Research Abstract |
キクの葉身部分に黄色い斑点が発し、切り花品質が低下することが大きな問題になっている.高温強日射下で黄斑の発生が著しいことから、黄斑症は光過剰障害によるクロロフィル崩壊、すなわち活性酸素が主要因でないかと考えている.平成21年度では、黄斑発生の異なる品種を用いて、黄斑発生を増大する条件を特定し、この条件を用いて、活性酸素種の生成量との関連、気孔開孔反応との関連を調査した。 黄斑発生を増大する条件に関しては、地温、気温および強光がキクの生育、黄斑発生に及ぼす影響を詳細に調査した.生育が抑制されるほどの長期間の高温や強日射は黄斑発生を抑制きせた、どれらのことから、生育が旺盛な環境条件内における外的要因により黄斑発生は助長されると考えられた. 活性酸素種の生成量との関連については、黄斑発生と活性酸素種との関係を調査するためには、黄斑発生を増大する条件について明らかにすることか望ましい.そこで、活性酸素誘発剤(プリグロックス)の散布が黄斑発生および活性酸素種(過酸化水素、カタラーゼ、スーパーオキサイド・ディスムターゼ)の変動に及ぼす影響について謂査した。活性酸素誘発剤散布により'精興の誠'において黄斑が増加することがわかった. また、'精興の勝'は処理に敏感に反応し、活性酸素種の生成に差が生じることがわかった.本実験の範囲内では黄斑発生度と活性酸素種との間に一定の傾向は認められなかった. 黄斑発生に関わる環境条件を明らかにするために気孔コンダクタンスを今回購入したリーフポロメータによって計測した.光をPPFD0~500μmol/m2/s、温度を20~30℃と設定したところ、黄斑の出ない品種においてはPPFD300以上で気孔を閉じる応答を示したのに対し、黄斑の出る品種では強光下で減少する場合も見られたが・再び増加するなど強光下でも閉じない傾向があるという品種間差違が明らかになった.
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