2010 Fiscal Year Annual Research Report
高温,強日射下で誘導されるキクの黄斑症発生メカニズムの解明
Project/Area Number |
21580034
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
後藤 丹十郎 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (40195938)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 和彦 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (90263623)
|
Keywords | キク / 黄斑 / 活性酸素 / 強光 |
Research Abstract |
キクの葉身部分に黄色い斑点が発生し、切り花品質が低下することが大きな問題になっている.高温強日射下で黄斑の発生が著しいことから,黄斑症は光過剰障害によるクロロフィル崩壊、すなわち活性酸案が主要因でないかと考えている.平成22年度では,黄斑軽減対策を試みるとともに、黄斑発生の環境条件の中で温度について、詳細に検討した。 黄斑発生を軽滅するために、活性酸素を軽減するといわれている物質過酸化水素,TiO_,キトサン溶液,ABA,アスコルビン酸,アミノレブリン酸,2,6-ジクロロイソニコチン酸を散布し、この条件を用いて、活性酸素種の生成量との関連を調査した.TiO_1%と0.6キトサン溶液処理が黄斑発生度を減少させることが明らかになった.しかし,本実験の範囲内では黄斑発生度と活性酸素種との間に一定の傾向は認められなかった.またABA200ppm処理が黄斑発生を増加させた。 また、黄斑は、高温、強日射条件下で発生が助長される。そこで、黄斑を軽減するために、夏季に寒冷紗、赤外線カットフィルム、ドライミスト下で短期間栽培したところ、ドライミスト下で軽減する傾向が見られた。黄斑軽減に適する温度や日射量、ドライミストによる適正な期間を今後詳細に検討する必要があると考えられた。 黄斑発生に関わる環境条件については,昨年度得られた温度が深く関わっているという結果をさらに明確にするために,温度,光に加えて湿度の環境条件を増やして検証を行った。実験の結果,環境制御室内で黄斑を発生させることができた。発生は強光や高温,高温下で顕著であった。一方特に低湿下では強光下でも黄斑は発生しなかったなど,光,温度に加えて湿度も黄斑発生に深く関わっていることが示唆された。目標であった環境割御室内での黄斑発生が達成できたので,さらに画像処理を用いて黄斑の度合いを数値化することにも取り組んだ。その結果,面積と色情報から人の感覚に近い数値化ができた。
|