2010 Fiscal Year Annual Research Report
未利用遺伝資源を用いた特異的な花色発現を示すシクラメン育種素材の開発
Project/Area Number |
21580035
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
高村 武二郎 香川大学, 農学部, 教授 (40253257)
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Keywords | シクラメン / RT-PCR / 白色花 / アントシアニジン / 3GT / コルヒチン / 複二倍体 / 胚珠培養 |
Research Abstract |
まず,シクラメンの花色素生成に関連する遺伝子を単離するため,CTAB法を用いてシクラメン有色花品種の着色開始から展開前までの花弁からtotal RNAを抽出して,逆転写反応によりそのtotal RNAからcDNAを合成し,他の植物由来のDFR, ANS, 3GTの塩基配列を元に設計したディジェネレイトプライマーを用いてPCRを行った.その後,シークエンシングを行った結果,部分鎖長pCypDFR, pCypANS, pCyp3GTに相当する部分鎖の塩基配列を決定した結果,1種ずつのNADPH結合領域を有する部分鎖長pCypDFRおよび2-オキソグルタル酸ジオキシゲナーゼの結合領域を有する部分鎖長pCypANSに加えて,2種の部分鎖長pCyp3GT1およびpCyp3GT2が得られた.シクラメンの有色花品種および白色花品種の花弁からRNAを抽出してRT-PCRを行ったところ,白色花品種の花弁においては,pCyp3GT1検出目的のPCRでは予測増幅断片長のバンドが認められず,シクラメンの花弁における白色発現は,アントシアニジンの配糖体化を支配する3GTに相当するpCyp3GT1の発現抑制または欠失による転写不良により,アントシアニンが生成されないことに起因するものと示唆された. 次に,色変わりまたは複色花園芸品種とシクラメン野生種との交雑後の胚珠培養の培地にコルヒチンを添加し,倍加種間雑種個体の作出を試みた結果,コルヒチン処理を行った場合でも小植物体が得られることが明らかとなった.また,得られた小植物体の一部の雑種性と倍数体を調査した結果,調査したほとんどの個体で雑種でることが確認されるとともに,培加個体も低い割合ではあるが認められ,胚珠培養時のコルヒチン処理により複二倍体の作出が可能であることが確認された.
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