2011 Fiscal Year Annual Research Report
園芸植物を対象とした花茎(茎)成長制御の細胞成長生理学的研究
Project/Area Number |
21580041
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
宮本 健助 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教授 (10209942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 純一 大阪府立大学, 理学系研究科, 教授 (40109872)
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Keywords | チューリップ / 茎(花茎)生長 / 植物ホルモン / オーキシン / ガム物質 |
Research Abstract |
茎細胞の成長制御機構は特に植物ホルモンのオーキシンの作用を中心に細胞成長生理学的視点から調べられてきた。しかし、複雑な器官相互作用・植物ホルモン相互作用を受けている個体レベルでの茎成長は、実験系の難しさなどからほとんど細胞成長生理学的解析はなされていない。本研究は主にチューリップなど球根植物やエンドウを対象に、茎(花茎)の長さの制御機構やガム物質形成機構の解析を行った。 (1)チューリップ球根の生長には一定期間の低温処理が必要であり、植物ホルモンのジベレリンが部分的に低温処理の代用をすることが知られている。チューリップの花茎成長および開花におけるオーキシンの役割を明らかにする目的で、不完全な低温処理を施した球根にオーキシン極性移動阻害剤の一種であるトリョード安息香酸(TIBA)を処理した結果、その花茎の成長と開花が促進されることを見出し、論文の形で報告した。なお、現在、各種オーキシンの極性移動阻害剤や作用阻害剤の影響についても検討中である。 (2)チューリップではジャスモン酸類処理によって多糖類性ガム物質が形成されることを報告してきた。ガム形成におけるホルモン相互作用を明らかにする目的で、各種植物ホルモンとジャスモン酸類との相互作用を検討した結果、ジベレリンがジャスモン酸類誘導性のガム物質形成を促進することを見出し、'論文の形で報告した。 (3)チューリップ花茎の生長制御機構を解明するために、暗所で生育させた黄化花茎と自然条件下で生育させた花茎の生長に対するオーキシン、オーキシン極性移動阻害剤、およびオーキシン作用阻害剤等の影響を比較検討し、黄化花茎の生長におけるオーキシンの重要性を指摘した。
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Research Products
(5 results)