2011 Fiscal Year Annual Research Report
ジベレリンメタボローム解析による低温要求性木本花卉ラベンダーの開花促進技術の開発
Project/Area Number |
21580043
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
腰岡 政二 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (80094340)
|
Keywords | ラベンダー / 花卉 / 開花調節 / ジベレリン / メタボローム |
Research Abstract |
平成23年度の研究目標は、開花の促進に直接的に関わるジベレリン誘導体あるいは酵素活性阻害剤を用いて、花芽分化の誘導に必要な低温代替期間や、開花促進を誘導するジベレリン誘導体類を明らかにすることである。その結果、ジベレリン生合成阻害剤処理により開花が抑制されるがジベレリン処理により開花の抑制が回復することから、花芽分化と花芽発達にはジベレリンが必須であることが明らかになった。一方、ジベレリン生合成阻害剤処理による開花の抑制は、低温処理期間が長くなるにつれて回復することが明らかになった。ジベレリン処理では、早期13位水酸化経路上で生合成されると考えられる活性型GA1、GA3、GA5の効果は、発蕾促進においてはGA5>GA3>GA1で優れること、GA5ではGA3に比べて小花数の増加と発蕾促進が認めらること、早期13位水酸化経路上で生合成される活性型ジベレリン類は、その作用性に強弱はあるもののいずれも同様の作用性を示すこと、内生ではないGA3であっても、内生のGA1と同様の作用が推定されることなどが明らかになった。一方、ストックで著しい開花促進効果を示したdimethyl-GA4は、GA3に比べて小花数の増加と発蕾促進を示したものの、開花株率、開花枝率では効果は劣った。0~5週間の低温処理では、温度に係わらずジベレリン処理による開花誘導は認められず、ジベレリン処理は低温処理に取って代わることは出来ないことが明らかになった。6週間以上の低温処理では、ジベレリン処理による開花株率増加と発蕾促進が認められることから、ジベレリンは低温処理の不足を補完するものであると考えられる。また、十分な低温処理量があれば、外からジベレリンを処理しても、内生ジベレリンの働きを加速しないことから、低温量により、ジベレリン感受性に変化があることが推測された。以上から、低温要求量に応じたジベレリン処理でラベンダーの開花誘導が可能であることが明らかになった。なお、ここで用いたジベレリン誘導体の処理濃度は、全て100ppmとした。
|
Research Products
(1 results)