2009 Fiscal Year Annual Research Report
ブルーベリーに発生するウイルスの病害防除に対する統合的研究
Project/Area Number |
21580051
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
磯貝 雅道 Iwate University, 農学部, 准教授 (30312515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 学 岩手大学, 農学部, 助教 (00361048)
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Keywords | 植物ウイルス / ブルーベリー / 病害防除 |
Research Abstract |
本年度は、(1)ブルーベリー赤色輪点ウイルス(BRRV)によるブルーベリー赤色輪点病の検定法の開発、(2)日本のブルーベリーから検出される約3.5kbpの2本鎖RNA(dsRNA)の解析、(3)スパータンの黄化病からのウイルス検出を行った。(1)に関しては、ブルーベリー樹由来のPCR反応阻害物質のため、PCRを用いたBRRVの検出精度に問題があった.そこで、ブルーベリー樹からの全核酸抽出法および検定用プライマーの塩基配列を開発した。さらに、この方法を用い、岩手県・千葉県・宮城県を圃場調査し、3県全てでBRRVによるブルーベリー赤色輪点病が発生していることが明らかにした。(2)に関しては、約3.5kbpの二本鎖RNA(dsRNA)が、Blueberry fruit drop associated virus (BFDaV)由来であることを明らかにした。BFDaVは、アメリカ・カナダで問題となっているBlueberry fruit drop disease (BFDD)の病原であると考えられていた。そこで、日本のBFDaVに感染しているブルーベリー樹の病徴を経時的に観察した。その結果、いずれの樹においてもBFDD症状は認められなかった。このことから、BFDaVはBFDDの病原ではない、あるいは単独で病気を引き起こすウイルスではないことが明らかとなった。さらに、BFDaVのゲノム解析から、BFDaVは、トチウイルス科に分類される新規なウイルスであると分かった。(3)に関しては、圃場調査により品種スパータンに黄化病が発生していることを突き止めた。本病気罹ったスパータンからdsRNAを抽出すると、9kbpのdsRNAが検出された。そこで、9kbp dsRNAのクローニングを行い、このdsRNA由来と考えられるクローンを得た。
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Research Products
(5 results)